ぼおるぺん古事記 (一)天の巻

義弟に借りまして…

なんというか、神話の世界ってシンプルなようでいて複雑。神様の行動なのに残酷。

(これはギリシャ神話でも同様な印象を持ちましたが)


世の中で繰り広げられるひとの感情が引き起こす様々な出来事に驚いたり、悲しい気持ちになったり、自分のことでなくても色々と考えさせられることがありますが、平安~昭和初めの頃の文学とかをとってみても、昔々の古事記の頃の書物をとってみても、いつの時代も人の行うことって いいこともわるいことも 変わらないのだと、ある意味感心。


ぼおるぺん古事記はなんとすべてボールペンで描かれていて、(背景もすべて。トーンの使用も一切なし!)シンプルな線で表現される神様の複雑な表情に、なぜかとても心を動かされるのです。


印象的だったのは伊邪那美命(いざなみのみこと)が火神迦具土神(かぐつちのかみ)を産み落としたことが原因で命を失ってしまう場面と、大気都比売神(おおげつひめのかみ)が須佐之男命(すさのおのみこと)に切り殺されてしまう場面。


日本という国を作って、色々な神様を産んで…と、ただそれだけではなくて、神様なのに悲しい別れや残酷な出来事も存在するというのが不思議と現実感を増すというか…(そもそもわたしの中では神様の定義とか、不確か過ぎて…。誰か・何かに感謝する心は大切ですが、その相手は神様ではないと思って生きているので。)


内容は古事記のまま(一応親切な注釈はありますが)なので、読み辛さも否めませんが、2度、3度と、つい読み耽ってしまいます。

(日本神話に登場する神様ってどうしてあんなに憶え辛い名前なんでしょうね…)